さおりさん
人の役に立ちたくて社会福祉士になったのに、正直、もうきつい…。
こんなふうに思う私は、この仕事に向いてないのかな。
りぃママ
向いていないんじゃありません。
社会福祉士の仕事は、構造的に「きつい」仕事なんです。12年やった私が断言します。
私は、社会福祉士として相談援助の現場で12年働きました。
やりがいはありました。「ありがとう」に救われた日も、数えきれないほどあります。
でも同時に、この仕事にしかない「きつさ」に、少しずつ心を削られていきました。
最後は限界を超えて退職した私だから書ける、本音の話をします。
📖 この記事でわかること
・社会福祉士が「きつい」と感じる、構造的な3つの理由
・「向いてない」と思う前に知ってほしいこと
・資格を手放さずに、今より楽になる道
社会福祉士が「きつい」のは、あなたのせいじゃない
まず、いちばん伝えたいことから。
「きつい」と感じるのは、あなたの能力不足でも、覚悟不足でもありません。
社会福祉士の仕事には、構造的なきつさが組み込まれています。
12年やった私が限界だった理由は、大きく3つでした。
理由① いつも「板挟み」の真ん中に立たされるから
相談援助の仕事は、立場の違う人たちの真ん中に立つ仕事です。
- ご本人の希望と、ご家族の希望が正反対
- 現場の事情と、制度のルールが噛み合わない
- 連携先の専門職からの要求と、自分の役割の間で押しつぶされそうになる
誰かの希望を叶えれば、誰かの希望が叶わない。
正解のない調整を、毎日、何件も。
私は、ご本人と ご家族の間に立って、どちらの気持ちも痛いほど分かるからこそ、動けなくなる夜がたくさんありました。
板挟みは、社会福祉士の宿命です。でも、宿命だからといって、削られない訳ではないんです。
理由② 「感情労働」なのに、感情の置き場がないから
社会福祉士の仕事は、感情を使う仕事です。
つらい状況にある方の話を、真正面から受け止める。
理不尽な怒りをぶつけられても、専門職として冷静に対応する。
立場の強い相手から高圧的に言われても、その場では笑顔で調整する。
でも、受け止めた感情は、どこへ行くのでしょう。
私の場合、行き場のない感情は、少しずつ心の底に沈殿していきました。
そして家に帰れば、今度は家事と育児。自分の感情を降ろす場所が、どこにもない。
感情労働をする人こそ、自分の心のケアが必要なのに、
「支援する側」は、自分のSOSを後回しにしがちです。
理由③ 責任は重いのに、正当に評価されにくいから
命や人生に関わる判断の一端を担うのに、給与水準は決して高くない。
成果が数字で見えにくいから、頑張りが評価につながりにくい。
「誰にでもできる仕事」と誤解されて、専門性を軽んじられることさえある。
責任の重さと、報われ方が釣り合わない──
この構造は、真面目な人ほど消耗させます。
「向いてない」と思う前に、知ってほしいこと
さおりさん
でも、同僚は平気そうに見えるの。やっぱり私だけが弱いのかなって。
りぃママ
私も職場では「平気そうな人」でしたよ。
誰にも悟られないように、笑顔を作っていましたから。
覚えておいてほしいんです。
「きつい」と感じる感受性は、この仕事に必要な資質と同じものだということを。
利用者さんの痛みに気づける人は、自分も痛みを感じやすい人です。
相手の気持ちを汲み取れる人は、板挟みのつらさも人一倍感じる人です。
つまり、あなたが「きつい」と感じるのは、
支援者としての感受性が、ちゃんと機能している証拠なんです。
向いていないんじゃない。
向いているからこそ、きつい。
だからこそ、その感受性を守る働き方を、考えていいんです。
資格を手放さずに、今より楽になる道
「辞めたい。でも、せっかく取った資格が…」
その葛藤、よく分かります。でも、選択肢は「今の職場で耐える」だけではありません。
🧭 社会福祉士の「楽になる」4つの道
1同じ資格のまま、分野を変える
高齢・障害・児童・行政・地域…社会福祉士の活躍分野は広く、分野が変われば人間関係も業務の質も一変します。「資格は同じでも、職場文化は別世界」です。
2働き方を軽くする(時短・パート)
私は2回目の転職で時短パート(時給1400円)を選び、心の余裕を取り戻しました。詳しくは時短パートのお金のリアルへ。
3現場以外で、経験を活かす
企業・講師・在宅ワークなど、対人援助の最前線から離れる道もあります。私自身、いまは在宅で働いています。詳しくは社会福祉士が現場以外で働く道へ。
4一度、福祉から離れて休む
資格は消えません。心が回復してから戻る道は、いつでも残っています。心身にサインが出ているなら、これが最優先です。
心や体に限界のサインが出ている場合は、心が壊れる前に退職していい|「まだ頑張れる」が一番危ないサインを先に読んでください。
今夜できる、たった1つのこと
🌙 今夜の宿題(1分で終わります)
今日、仕事で受け止めた感情をひとつ、スマホのメモに置いてきてください。
「今日は板挟みがしんどかった」──それだけでOK。
受け止めた感情は、書き出すことで、心の外に降ろせます。
社会福祉士のきつさについてよくある質問
💬 よくある質問(FAQ)
Q. 社会福祉士を辞めたら、資格が無駄になりませんか?
なりません。社会福祉士は更新のない国家資格で、離れても消えません。そして相談援助で培った傾聴力・調整力は、どんな仕事でも通用する力です。私はライターの仕事でも、この力に助けられています。
Q. きついのは最初だけで、慣れれば楽になりますか?
業務には慣れます。でも、板挟みや感情労働の負荷は「慣れ」では消えず、むしろ蓄積することがあります。12年目の私がそうでした。「慣れれば大丈夫」と我慢し続けるより、負荷を減らす工夫や環境調整を考える方が現実的です。
Q. 「やりがいはある」から、辞める決心がつきません。
やりがいと、心身の消耗は両立します。「やりがいがあるのに辞めたい自分」を責める必要はありません。やりがいを感じられる別の場所・別の形を探すのも、立派な選択です。
さいごに
ここまで読んでくれて、ありがとうございました。
誰かを支える仕事を選んだあなたは、優しい人です。
その優しさが、いま、あなた自身を削っているのなら。
どうか、その優しさを、自分にも向けてあげてください。
✦
向いてないんじゃない。向いているから、きつい。
支える人こそ、支えられていい。
あなたは、大切な存在です。
✦
今夜は、誰も支えなくていい時間です。
ゆっくり、休んでくださいね。
🍀 つらさが続くときは、ひとりで抱えないでください
「消えたい」「眠れない日が続く」「涙が止まらない」──そんなときは、専門の窓口に気持ちを話してみてください。無料・匿名で相談できます。
▸ こころの耳(厚生労働省):働く人のメンタルヘルス相談(電話・SNS・メール)
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